[PR]何かを探す前に無料占い:当たる!無料占い『スピリチュアルの館』
![]() △0120 『仕事力を伸ばす本』 守谷雄司 ×0119 『朗読者』 ベルンハルト・シュリンク △0118 『慟哭』 貫井徳郎 △0117 『屈折率』 佐々木譲 ×0116 『運を天に任すなんて』 城山三郎 △0120 『仕事力を伸ばす本…ビジネスマンは知的スタミナで勝負せよ』 >守谷雄司/知的生き方文庫/1999.08.22
過去のメモを整理していたら出てきたもの。今日は何となく疲れたので、メモの丸写しで終了。
×0119 『朗読者』 >ベルンハルト・シュリンク/新潮社/2002.08.25 究極のラブストーリーという触れ込みにつられて読んでみたが、今ひとつ。あまり「恋愛」というものに興味がないのかもしれない。既婚の身で興味がありすぎてもまずいのだが、いい本を読んでも感動しないというのは、あまりよろしくない。前半は15歳の少年・ミヒャエルと36歳の女性・ハンナの恋を描いており、後半部分で別離、再会が綴られている。ナチスの問題などが絡んでおり、ラストではなぜ少年が女性に朗読を続けていたかという理由も明かされるのだが、重いようでいて、コンセプトが上手く伝わってこなかった。 ☆ハンナは戦争という悲劇に巻き込まれ、文字を読むという能力を身に付ける時間が無かったのだろうか? 識字率の高い日本に暮らしていると、文盲というものがどれほどつらいものなのかピンとこない。頑なに事実を隠そうとしたハンナの心の内にも戦争の暗い影が見え隠れするが、もやっとしたまま物語は終わってしまった。☆ 恐らく、ラブストーリーという先入観で読み始めたのがよくなかったのだろう。文章としては読みやすかったため、読み飛ばすような形になっていたのかもしれない。作品のいい悪いではなく、自分自身が消化不良を起こしてしまったので、あえて×。また、辛口と言われるかな。
△0118 『慟哭』 >貫井徳郎/創元推理文庫/2002.10.05 面白かったので、再読しよう、再読しようと思いつつ、結局再読しないまま感想を書く気になってしまった。恐らく、(ちょっとネタバレかな?)☆「叙述ミステリー」☆という分野に興味がもてなくなったせいだと思う。この種のミステリーは、最初からそうと知らされていると、変に構えてしまうし、うまく騙されても、そりゃぁないだろうと思うことが多いからだ。そういった意味では本作品は見事に騙してくれたし、そりゃぁないだろうという思いも随分と少なかった。もう一度読むときは、随所に散りばめられた伏線に注意して読もうと思っていたのだが、結末を知ってしまっているが為に、面白さ半減だと再読をあきらめた。 さて、未読の方に向けてネタバレのないよう、粗筋を紹介してみたい。2つのシーンが交互に展開するのだが、一方はキャリアの捜査一課長が幼女連続殺人犯を追うというシーン。そしてもう一方は宗教にはまって幼女を殺害し続ける犯人のシーンである。この両シーンが上手く絡み合い、意外なラストが訪れるのである。ちなみに、妻は前述のような拙い私の粗筋を聞いて、結末を見破ってしまった。構成などは上手いのでぜひ読んでみろと薦めるのだが、やはり結末が分かっていて楽しめる作品ではないだろう、未だ読んだ気配なしである。この粗筋でラストが分かった人は素晴らしいと思うが、面白さが半減してしまうので、あまり推理しないでください。 警察の緻密な捜査や、宗教団体の洗脳の過程なども詳しく書き込んであり、重厚な作品に仕上がっている。読了直後にこの感想を書いていたら間違いなく○を付けただろう。半年以上も前に読んだ作品のため、自分の気持ちが冷めてしまったのかもしれない。読んで損はないと思うので、ここまで感想を読んでいただいた方には、ぜひお読みになることをお薦めします。 そうそう、なぜ『慟哭』の感想を書く気になったかというと、雑誌の『PRESIDENT』がきっかけ。『E.T.』のコンセプトに関する記事を読んで、この映画を文章で表現するのは難しいなと思ったのだ。逆に『慟哭』は絶対、映像に出来ないと思った。この両者の対比が面白いと思い、『慟哭』の感想を書いた次第である。 それでは、PRESIDENT 2003.02.17より、『E.T.』の「コンセプト」について。この映画のコンセプトは「顔」である。主人公の子供たちと母親以外、つまり子どもたちにとっての敵の顔は一切写らないそうである。(軍隊はE.T.の細菌を恐れて防毒マスクをつけているし、ハロウィーンのシーンでは大人たちはカボチャの面を被っているか下半身しか写らない)この記事を見て驚嘆し、早速DVDを借りてきた。 1982年公開の作品なので小学生のときに見ていると思うのだが、ほとんどストーリーを忘れてしまっており、純粋に楽しめた。特に自転車で空を飛ぶ有名なシーンでは、大人気ないほどドキドキしてしまった。さらに今回は「顔」というコンセプトを意識してみていたため、軍隊がE.T.を助けようとする瞬間にいっせいに防毒マスクを脱ぐシーンにも感動。マスクを脱いで「顔」を見せた途端、子供たちの見方であることを示したのである。とにかく「顔」というコンセプトについては初耳であり、20年近くも前にこれだけの内容の濃い作品を作り上げた、スピルバーグはやはり天才なのだと思う。ちなみに「E.T.」とは「Extra Terrestrial」の略で「地球外生物」のこと。 さて、このようにコンセプトがしっかりしていると、作品を作る際の意気込みが違ってくるだろう。また、細かいところで迷いが生じても、コンセプトに沿って考えると答えは出るものである。これはビジネスの世界でも全く同じではないだろうか。ビジネスにいては「ビジョン」という言葉に置き換えられるかもしれないが、とにかく乱世には信長の「天下布武」のようなコンセプト、ビジョンが必須である。
△0117 『屈折率』 >佐々木譲/講談社文庫/2003.07.05 佐々木譲といえば、言わずと知れた『エトロフ発緊急電』他、日本を舞台とした冒険小説を手がける作家である。その名前につられて、古本屋でふと手に取ったのが本作品である。『屈折率』というタイトルでは中味が想像できず、カバーの裏を読むと、なんとビジネス小説ではないか。今や高杉良以外に、パッとするビジネス小説の書き手がいないので少し寂しく思っていたところに、佐々木譲が登場するとは、嬉しい誤算である。 早速読み始めてみたが、元商社マンの主人公・安積啓二郎が、兄が経営する大田区のガラス工場の経営を引き受け、再建に挑む話である。ガラスという素材を選んだ目の付け所が面白く、商社マンと下請工場というギャップの面白さもあり、一気に読了。ガラスといっても、ハイテク素材として考えると、レンズ、プリズムなど用途は様々である。一時期、バブルを謳歌した光通信関連の部品などその最たるものであろう。 安積は当初、工場のバランスシートを改善しスリム化した後、売却するつもりで、工場経営に乗り出したのだが、結局はガラスという素材にのめりこみ、工場再建に熱中してしまう。友人の小笠原や、社員の上野は「今の時代、日本の製造業が取る道は3つしかない。市場を海外に求めること、部門を得意な分野に特化すること、業態をハイテク化すること」と言っているが、この言葉に触発されたのか、安積は諏訪のハイテクメーカーや、デンマークの医療機器メーカーからの受注を獲得すべく奔走する。「俺は元商社マンで、経営よりも売込みが得意だ」と嘯きつつ、有言実行。ラスト近くでは、倒産間近の企業の買収までやってのける。その経営スピードの早さには目を見張るものがある。 このように、経営的な視点を折り込んだ起業再生の物語で、非常に面白かったのだが、難点が一つ。ガラス工芸家として登場する透子との関係である。読んでいる間ずっと感じていたのだが、透子との情事の様に物語の半分近くが割かれているのである。半分も割かれているかどうかは分からないが、私にはそう感じるほど冗長であった。私はビジネス小説を読みたいのであり、恋愛小説を読みたいのではない。佐々木譲はサービス精神のつもりで描いたのかもしれないが、はっきり言って邪魔である。透子というキャラクターを登場させず、もっと経営のことを書き込んだ方が、コンパクトでかつ重みのある作品に仕上がったと思う。文庫本で550ページ近いのだから、もう少し濃い作品に仕上げて欲しかった。
×0116 『運を天に任すなんて…人間・中山素平』 >城山三郎/新潮文庫/2003.07.04 中山素平の生き方を綴った物語である。まず、「素平」という名前がいい。素(す)で平(たいら)とは、素平の生き方そのものではないか。銀行マンとして成功し、財界の鞍馬天狗とまで言われるようになった素平の、経営に対する信念が描かれており、非常に示唆に富んだ作品であった。では、なぜ評価が×かと言うと、200ページ超の文庫本に、素平の人生を無理やり詰め込んだような気がしたからである。以前に、高杉良の『小説・日本興業銀行(全5巻)』を読んだことがあったため、中山素平の足跡についてはある程度の知識があった。しかも、『小説・日本興業銀行』は『小説・中山素平』と言い換えてもいいほど、素平が活躍する。こちらを読んでしまったら、今回の『運を天に〜』は物足りなく感じてしまうだろう。 そんな中で、素平の師匠ともいえる河上弘一についての描写が随所に出てくる。例えば、部下の話を立たせたまま聞くのではなく、自分の机の前に椅子を置いて、「じっくり聞こう」という姿勢を見せたり、とにかく懐が広い人物という印象を受ける。(椅子を置くくらい誰でもやっているかもしれないが、この時代では珍しかったのかもしれない) とにかく、素平が河上の死後も、遺影を部屋に飾るという薫陶ぶり。そこまで師事できる人がいるというのは大変羨ましいことである。
さて、素平の生き方を表している文章を抜粋してみよう。
苗村屋読書日記 [24]
![]() |