◎0125 『沈まぬ太陽』 山崎豊子
△0124 『ネクスト・ソサエティ』 ドラッカー
△0123 『ONとOFF』 出井伸之
×0122 『サラリーマンIT道場』 大前研一
△0121 『大事なことはすべて盛田昭夫が教えてくれた』 黒木靖夫

◎0125 『沈まぬ太陽』 >山崎豊子/新潮文庫/2002.01.03

 ついにアクセス数1000件達成である。100冊更新と1000件アクセスは一つの目標だったので、感慨無量である。そこで、アクセス数1000件記念として、大作の感想を書きたい。ずっと、書こうと思いつつ、生半可なコメントでは作者に申し訳ないと思い、アレコレ考えながらずっと暖めてきた。(日記を書くのに大層な) まずはアフリカ編。主人公・恩地は新旧に分かれてしまった労働組合の派閥争いに巻き込まれて、僻地へと左遷されてしまう。しかし、恩地はそれでも腐らずに自分に出来る精一杯のことをと、真摯に仕事に励んでいる。パキスタン、イラン、ケニアと過酷な土地を転々とし、ついには家族とも離れ離れになってしまう。私は海外勤務希望なのだが、さすがにアフリカとなると躊躇してしまう。 (幸いなことに我が社にアフリカ支社はないのだが) さすがに読んでいて少しは妥協しても良いのではと思ったが、恩地の信念は凄まじい。私自身と比較してみると、東京という恵まれた土地で、たかだか半年程度、異動が延期になっただけで愚痴っているのが恥ずかしくなってしまう。一方で、調子よく出世していく行天が憎くくて仕方がなかった。

 そんな恩地が島流しから帰ってきて、就いた任務が遺族係。そう、御巣高山墜落事故の遺族係である。正直、読み進めるのがつらく、このまま本を置いてしまおうかと思ったほど、事故現場が克明に描かれている。遺族の方にはつらい描写かもしれないが、山崎豊子の怒りが、その文章の間から溢れてくるのを感じた。最近もニアミスなどの事故寸前というニュースが何度か流れているが、航空会社の方々には、人命を預かるという重大な仕事についているという責任感を忘れないで頂きたいと思う。

 そういえば、本書は文庫化の際に、1・2巻と3巻以降が、別の月に発売されたものである。確か、3巻以降の発売が少し遅れて、まだか、まだかと毎日のように本屋へ通ったのを覚えている。これほど続きが読みたいと思った本は久しぶりであった。4・5巻は会長室編。国民航空の再編に乗り出した国見会長と、会長に抜擢された恩地の活躍を描いている。しかし、2人の前に立ちはだかる壁は厚く、結局、恩地は再び左遷されてしまう。企業小説としては4・5巻の方が面白いかもしれないが、小説としては1〜3巻、特に3巻は圧巻であった。

 ちなみに、山崎豊子の作品は結構読んでおり、私のNo1は『不毛地帯』、次いで『沈まぬ太陽』で、3番目が『白い巨塔』である。『不毛地帯』や『白い巨塔』は随分前に読んだ作品なので、再読してからコメントを残したいと考えている。

>2003.07.14.MON


△0124 『ネクスト・ソサエティ』 >P・F・ドラッカー /ダイヤモンド社/2002.08.13

 ちょっと背伸びをして読んでみたビジネス書。納得のいく理論が多かったが、なかなか読み進めることが出来なかった。読みやすい本がいい本ではないのだが、難しすぎて読むのが嫌になってしまうのも問題。ドラッカーはそのギリギリの境界線上のような気がする。メインテーマとしては、知識労働者の資質や教育、雇用、評価の方法などについて書かれている。

 知識労働者とは、私個人の理解でいうと、知恵を使うことにより従来のホワイトカラーよりも更に生産性を向上させることのできる人たちのこと。ドラッカーはその知識労働者に対して、3つのことを聞かなければならないとしている。第一が強みは何か、どのような強みを発揮してくれるかである。第二が何を期待してよいか、いつまでに結果を出してくれるかである。第三がそのためにはどのような情報が必要か、どのような情報を出してくれるかである。今読み返してみても、何を言わんとしているか分かるような分からないような…。もう少し勉強が必要だと感じてしまう。

 さて、その中で理解しやすかった部分が次である。
 CEOにおなじみの役員ポストが二つある。一つは、会計を統括するCFO(最高財務責任者)である。会計こそ最古の情報システムである。あらゆる意味で陳腐化しているにもかかわらず、理解できるなじみのものであるがゆえに、いまだに生き長らえている情報システムである。 もう一つは、データ処理を統括するCIO(最高情報責任者)である。どこの会社でも膨大なコストをかけている情報システムである。ところが、この2つのポストの人間は、それぞれのデータについては理解していても情報そのものについては何も知らない。15年もすれば、この二つの世界が統合されそれを統括するポストが生まれるはずである。しかし、CEOがもっとも必要とする情報は、その情報システムからさえ手にできない。すなわち、事業の外で起こることについての情報である。われわれは外の世界については、文字どおり何も知らない。しかも、たとえ業界リーダーの地位を占めていたとしても、同種の財やサービスを購入している者の過半は自社の顧客ではない。30%の市場シェアであれば巨人である。しかし、それでも70%は自社のものを買ってくれていない。われわれはその70%について何も知らない。彼らノンカスタマー(非顧客)こそ、来るべき変化を知らせてくれる貴重な情報源である。なぜか。この40年間に見られたあらゆる業界における変化を調べるならば、そのほとんどが既存の市場、製品、技術の外の世界で起こったものであることがわかる。
 引用が少し長くなってしまったが、要は社内データに頼らずに、外の世界にも目を向けなさいということか。もっとありふれた言葉でに言えばマーケット・オリエンテッド、顧客第一主義といったところだろう。

 もう一度じっくり読んで理解しなおすべきなのかもしれないが、私のレベルが低くて読みこなせなかったということにしておく。結局、よく分からない部分が何箇所かあったので、△。

>2003.07.13.SUN


△0123 『ONとOFF』 >出井伸之/新潮社/2002.06.13

 実はこの1週間、全く「本」を読まなかった。ここでいう「本」とは文庫本と単行本のこと。では何をしていたかというと、身辺雑記にも書いたが、過去にスクラップした雑誌の記事を読み返していたのである。いつかやろう、いつかやろうと思って、ずっと放ったらかしにしていたので、今週は雑誌週刊と決めて、電車の中でもずっと切抜きを読んでいた。この中から気に入ったものを紹介していきたい。

 というわけで、ちょっとずるいなぁと思いつつ、読書日記は過去のメモから抜粋している。本書はタイトルどおり、ソニー会長である出井氏のONとOFFについてのものだが、どうしてもONの部分に目が行ってしまっている。この本の主旨は、仕事ばかりでなく、遊びもこなしなさいという意味なので、なんだか余裕が無いなぁと思いつつ、抜粋。

  • 自分は何を求められているかということを全体との関わり合いという視点から捕らえて業務に臨んで欲しい。部分最適、現状最適ではなく、ソニー全体のことも視野に入れて考えて欲しい。
  • 次の工程に不良・欠陥を持ち越さないという「チェック機能」は生産ラインに限らない。どんな仕事にも当てはまる。次に誰かがやってくれる、直してくれると思わず、各人が仕事のあらゆる段階で、確実に性格に仕事をこなすプロ意識を持つべき。管理職には「判断しないミス」というものがある。結果的には次の過程にそのミスが持ち越されるわけだから。
  • 盛田さんは「ベンチャーに経験は要らない」と励ましてくれた。「失敗したとしてもそれがまた貴重な経験になるのだから」
  • 指揮者と経営者の共通点。孤独である。常に勉強しつづけなければならない。基礎に忠実な部分と革新を意識する部分とが両立しなければならない。人材育成への情熱が必要。

  • 「人と違うことをしたい」という意識をうまく盛り上げる。「人に迎合しない意見」を聞き取る。「突出した能力」を見極めて育てる。そういったことがマネジメントにも要求されるようになってきた。
  • IBMでは3年スパンでの中期計画を止め、3ヶ月毎の計画に変えたそうだ。ソニーの中期事業計画審議会では準備するのにも大変な時間をかけていると思うが、それで右肩あがりの計画をたてることにどれほどの意味があるのか。世の中のスピードを見るにつけ、深く考えさせられる。量で追いかける計画ではなく、3年後にどういった質のビジネスを追及したいかという視点を盛り込まなければならないと考えた。
  • IR:長期的にソニーを支援してくださっている個人株主と、短期利益を追求してソニーの株を商品として売買する投資家では、ソニーの戦略に対する視点も違う。

  • 仕事はPassion(情熱)、Patience(粘り強さ)、Consistency(一貫性)が大切。
  • 頻繁に変わる仕事内容に、私が愚痴をこぼした際、「サラリーマンたるもの新しい部署に異動した最初の日でも、10年前からそこにいたような顔をして仕事をしろ。弱気な発言をすれば下の者が迷惑する」と盛田さんにしかられて、目の覚めるような思いをしたことがあった。
  • 改革のための8つのステップ:(1)危機意識の確立、(2)強力なガイドチームの形成、(3)ビジョンの創造、(4)ビジョンの伝達、(5)ビジョンに向かって行動するよう全社員を奨励、(6)短期的成果の計画と実行、(7)更なる改革の推進、(8)新しいアプローチの制度化

>2003.07.12.SAT


×0122 『サラリーマンIT道場』 >大前研一/小学館/2002.06.11

 昨日書いたことをいきなり覆して×である。前にも書いたが、大前研一は『サラリーマン・サバイバル』で、仕事のやり方については語りつくした感がある。今後は、ビジネスの最先端を紹介するような本を書いた方がよいのではないだろうか。また同じことを言っていると感じる部分が多かった。一応、表題どおり「IT」について触れているので、一部抜粋。

・第一に語学、第二にITリテラシー(情報技術能力)、第三に知的付加価値を生み出す頭脳(論理的思考力と構想力)の3つがセットになって初めてネットワーク社会で富を創出できる。
・フランチャイズの極意は仕事を1,2,3,4と広げていくのではなく、1,2,3,までやったらその後いかに30に飛ぶかを考えることである。30が出来たらいかに300まで飛ぶかを考える。こつこつと1つずつやるのではなく、累進的にやる為には何が必要で、どこを標準化したらいいかを必死で考える。
・ジョン・チェンバース(シスコ・CEO) リーダーの7つの要素
(1)実績 (2)優秀なチームを作り上げる能力 (3)業界全般の知識(自分の決断が他の部門にどう影響するか) (4)チームワーク (5)コミュニケーション能力(聞く能力も大事) (6)計画性と反応性のバランス (7)顧客中心主義

>2003.07.11.FRI


△0121 『大事なことはすべて盛田昭夫が教えてくれた』 >黒木靖夫/KKベストセラーズ/2003.07.09

 ビジネス書には×が付けにくいと思う。一応、目次を見て為になりそうだと思って購入するし、そうすると、必ず1つはいいと思う部分がある。本書は期待した割には、今ひとつだったが、それでも相手との会話をチューンするという発想や、仕事は自分で面白くするんだという意気込みは勉強になった。いつものように、気になった部分を抜粋。

  • 私は盛田を見習って常日頃、喜怒哀楽の怒と哀を抜いて、喜と楽だけで仕事をしようと心がけてきた。また、「自分がこう言ったら相手はどう考えるか」を絶えず考えながら話すこと。これは大勢が相手のときも同じで、聴衆が自分の話にどう反応するかを最初にテストしてみる。盛田は「チューンする」と言っていた。チューニングが合っていないと何を話しても相手に届かないことになる。
  • ウォークマンを作った時、盛田は57歳だった。その年齢で「POPEYE」を面白がって読めるとは冷静に考えると凄いことだ。今、大企業の重役で若者雑誌を毎号ちゃんと読んでいる人がどれだけいるだろう。
  • 盛田の言葉:「俺とお前は意見が違うから存在価値があるんだ。もし二人が全く同じ考えだったら、どちらか一人いればいい」「石橋を叩きすぎて割るな」
  • 仕事は面白いからやるのだ。私は面白くない仕事をいかに面白くするかを絶えず考えていた。

>2003.07.10.TUH

苗村屋読書日記 [25]

     



































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