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△0045 『銀行・男たちの挑戦』 山田智彦
○0044 『銀行・男たちのサバイバル』 山田智彦
×0043 『朝倉恭介』 楡周平
○0042 『「知」のスピードが壁を破る』 平尾誠二
×0041 『ビジネス・ウエポン』 大前研一


△0045 『銀行・男たちの挑戦』 >山田智彦/文春文庫/2002.09.07

 背表紙あらすじ:三洋銀行名古屋支店に銃弾が撃ち込まれた直後、横浜支店長が何者かに撃たれた! 動揺が走る行内。対応策に苦慮する総合企画部長は、頭取から、銀行生き残りを賭け他行との合併を極秘に計画するよう命ぜられた。金融ビッグバン、不良債権と、激震下にある銀行に生きる同期三人の男たちの姿をビビッドに描く、シリーズ第2弾。

 仕事は相変わらず山積みなのだが、先日眺めた『知のスピードが』のメモに勇気付けられ、今読んでいる『銀行・男たち』シリーズの主人公たちの真摯に問題に取り組む姿勢に触発されて、吹っ切れた感じがする。何事も誠意を持って、黙々とこなすしかない。道は開ける、である。

 さて『男たちの挑戦』であるが、前作から役職が変わっているので、明記しておく。長谷部:取締役総合企画部長、石倉:星野田機械の取締役(転職)、松岡:福岡支店長。また、話の内容は、三洋銀行名古屋支店の銃撃、横浜支店長狙撃など、実際に起こった事件をモチーフにして銀行の危機管理の状況を語ったり、メーカーへ転出した石倉がニューヨークへ出張したりと盛りだくさんである。また、ラストシーンでは静岡銀行をおもわせる優良地銀の太平銀行が、大どんでん返しを見せてくれる。前作が合併のみに焦点を当てていたのに比べると、ややテーマが絞りきれていない感はあるが、ラストの見事さでよしとしよう。最後に主人公の長谷部の人柄をおもわせる描写を抜粋して今日は就寝。「何事にも素直で飾り気が無く、温厚で威張らず、親身になって話を聞く。そういう長谷部の性格に由来する姿勢や態度が人気を呼ぶのではなかろうか?」

>2003.04.14.MON


○0044 『銀行・男たちのサバイバル』 >山田智彦/文春文庫/2000.03.19・2002.07.30

 背表紙あらすじ:バブルの後遺症に懊悩する銀行界。重役のイスを目前にした同期入行の三人の男たちは、未曾有の不況下、日夜山積する問題に追いまくられていた。ある日、同期トップの支店長が突然死してしまう。相前後して、ライバル銀行との合併話が持ち上がり、推進派、反対派に分かれての、男たちのサバイバルが始まった。

 『銀行 男たちの決断』を読み始めた。シリーズ4作目で過去の作品も面白く読ませてもらったもの。今日は1作目の『銀行 男たちのサバイバル』を少し思い出してみたい。実はこの本、以前に読んだことを忘れていて2回読んでしまったのだが、2回とも面白く読むことが出来た。これから4冊とも紹介していこうと思うので、まず主な登場人物について書いておく。(自分が忘れそうなので) まず、主人公の名古屋支店長・長谷部敏正。正義感溢れる人物で、どちらかというとマイペース。がつがつと出世したいと思っているわけではなく、良い仕事をしたいと思っている紳士である。次に、総合企画部長・石倉克己。同期の中の出世頭かと思っていたが、あることをきっかけに転職してしまう。判断が早く、バリバリ仕事は出来るし、頭も柔らかい。私の1番好きなタイプである。そして業務推進部長・松岡紀一郎。いわゆる上に厚く下に冷たいタイプであまり好きではないのだが、仕事はそこそこにこなしている。あまり上司にしたくないタイプだが、なんとなく憎めない面も持っている。横浜支店長・西巻良平は石倉と同期トップを争っていたのだが、くも膜下出血で急逝してしまう。原因は過労だが、実はある事件に巻き込まれていたのである。調査部長・宮田隆男は学者肌で、結局銀行を辞めて大学の教授になってしまう。以上個性ある5人の同期を中心に、頭取クラスもまき込んで物語は展開していく。

 物語自体は最近では当然のように語られる銀行合併問題と不正融資問題を両軸に、同期同士の出世争いを描いている。結局、出世欲の一番少ない、真摯に仕事をこなしてきた長谷部が日の目を見ることになるのだが、このあたりの人事の妙も読んでいて面白い。銀行小説といえば高杉良の『金融腐食列島』を思い出すが、こちらの『男たち』シリーズもひけを取らない面白さである。合併や不良債権問題などにいち早く触れているが、単行本化されたのが1993年であるから、今から10年も前に、今の日本の銀行の有様を予想していたとも言える。作者の先見の明に感心しつつ、経済大国ニッポンは一体どこに向かっているのだろうかと不安になってしまった。

>2003.04.13.SUN


×0043 『朝倉恭介−Cの福音・完結篇』 >楡周平/宝島社文庫/2003.04.12

 背表紙あらすじ:自らの全知力と肉体を振り絞って作り上げた完璧なコカイン密輸のシステム―悪のヒーロー・朝倉恭介の完全犯罪が、ついに白日の下に…。追う警察、暗殺を企てるCIA、そして訪れた川瀬雅彦との決闘。 はたして恭介は逃げ切ることができるのか? 『Cの福音』で颯爽と登場した優雅なる野獣・恭介。闇に生きる者は闇に消える―待ち受けるのは生か死か? 6連作シリーズの掉尾を飾る雄篇の文庫化。

 朝倉恭介シリーズの最終章を読了。ここ1ヶ月ほどで6冊を読破してきたが、最後は少し不満の残る内容だった。というのも、過去の作品には、北朝鮮、コンピューターウイルス、生物兵器、湾岸戦争の後遺症など、社会的なテーマが見え隠れしたのだが、今回はそういったテイストはなく、恭介と雅彦の対決にのみ焦点を当てて書いているように感じたからだ。過去の作品は、これらの社会的な問題とハードボイルドな物語が絡み合って、面白い作品になっていたのが、最後になって、普通のエンターテインメント小説になってしまったのは残念である。

 また、これは作者も自覚していることだが、偶然が多すぎる。雅彦が偶然、コカインの犠牲者になった男の妻に出会うこと、偶然、恭介と仕事を共にした男に出会うことなど、良い取材をしたときにはツキが向いてきてこの様な偶然に出くわすのだと書いているが、ちょっと都合が良すぎる気がした。何らかの偶然がなければ、全く接点のない二人が結びつくことは難しいかもしれないが、やり過ぎは禁物である。また、最後のシーンで恭介が暴走続や警察を無作為に殺していくシーンにも抵抗を覚えた。マフィアとの抗争であれば、ある程度の死傷者はやむを得ないと思えるが、一般市民を巻き添えにするのは、やり過ぎの感有りである。

 ともあれ全体を通してみるとコンスタントに面白い作品に仕上がっている。最近、日本のテレビドラマがつまらないが、ちょうど6冊分あることだし、1冊を2回ずつ、全12回でドラマ化したらどうだろうか? テーマが過激過ぎるのなら深夜枠でもよい。全体を通して語られる、「日本人の危機意識の無さ」をテレビというメディアを通じて、喚起しても良いのではなかろうか。

>2003.04.12.SAT


○0042 『「知」のスピードが壁を破る(進化しつづける組織の創造)』 >平尾誠二/PHP/2000.02.06

 過去に読んだビジネス書のメモを見返すと、ハッとさせられることがある。本書はビジネス書ではないかもしれないが、示唆に富む内容であり、今の自分に照らし合わせるといろいろ励みになることが多い。私は小学生の頃からスポーツに親しみ、大学時代にはボート部に所属していた。そのせいか、実績のあるスポーツ選手の言葉には、実績のある経営者と同じくらいの重みを感じている。まずは、読み返していて刺激を受けた部分を抜粋する。

  • 負けたことに打ちひしがれていては、そこから先に進めない。負けを「試練」として受け止め、それを乗り越えるための一歩を踏み出すこと。それがなければ、成長することもありえない。
  • 変革期だからこそ自分でなければできないことに意味を見出し、自分に対して挑戦したい。
  • 精神的に切れない選手、集中力の高い選手に目を留めた。そんな選手は、「自分よりうまい選手がいるのに、なぜ自分が選ばれたのか」と考え、練習でも自分のよさを全て出そうとしてくる。
  • 基本的なところには時間をかけ、じっくりと向上させていく。一つ一つ丁寧に目的を達成していくことをイメージして、急激な飛躍はむしろ抑えるぐらいのつもりでいかないと本当に定着したものにはならない。

  • 人から何も言われなくても、自ら考え、行動すること。これが自立性だが、教えられることに慣れ、尻を叩かれ、怒鳴られながら練習を重ねてきた選手達には、自発的に考えて取り組むということができない。
  • 遣う言葉も、私のイメージが明確に選手に伝わる表現を選ぶ。そのためにも、自分の中に多くの言葉を持っていなければならない。
  • <「こんな風にプレーしたい」というイメージが持てれば、それまでは「早く終わってくれ」と思っていたダッシュの練習にも、目的を持って取り組むことができるようになるし、自分に何が足りないのか、どのプレーがうまくないのかを自覚した選手は、そこを鍛えることになる。
  • 集中しながら視野を広く取ること。これは、慣れないうちは難しいが、習慣付ければできるようになる。集中し、テンションを高めながらある瞬間には自分の意識を外に向けて、客観的に状況を見る。これを私は「イン⇔アウト」と呼んでいる。主観的な感性と、客観的判断を場面に応じて瞬間的に切り替えるのだ。

  • 理想を口にするのは簡単だ。その理想を実現するのは、口にすることより、数十倍、数百倍も大変なことである。高みに上るために、階段を一段作ってはのぼり、また一段作っては上っていく。この地道な作業を支えるのは、誰も見たことのない風景を見る、その夢への思いだ。
  • 自分が知らないうちに周囲が動いてくれるような、そんな自分を取り巻く状況や環境を先に作らなければならない。キャプテンが「これをやってくれ」と言っても、「なんだ、自分だけ楽をして」と思われるようではだめなのだ。キャプテンが他の選手を引っ張っていくためには、能力的に優れていなければならない。
  • 「人間力」とは、情熱や厳しさ、豊富な経験などのことだ。「人間力」のあるコーチは選手の気持ちを理解できるし、指導の根底に、「この選手を伸ばしてやりたい」という願いがある。

  • 自己の確立は自分を見つめることから始まる。自分の弱さと正面から向き合い、その弱さをとことん追求していくと、そこに弱い自分を見つめているもう一人の自分が現れる。これが新しい自己の発見だ。弱い自分を切り離し、客観的に見ている自分である。「自分はこんなことができないんだ」「こんなことを恐れているんだ」と気づいたとき、そこに立ち向かっていくように励ます、もう一人の自分を発見する。
  • 人は葛藤を経験することで強くなる。幾度も自分は何者なのか、なぜこうなのか、と自らに問いかけることで、自分が見えてくる。「自分は今逃げているんだな」と思ったときは、強い自分が姿を現し始めたときだ。弱い自分の責任を自分で取る。それが自己の確立への第一歩である。

 システムの導入でバタバタしており、今の仕事に対して、若干嫌気がさしていたが、数々のクレーム処理や、果てしないマニュアル作りも自分にとってどこがどうプラスになるかを意識して取り組めばヤル気が出てくる。ウェイトトレーニングでは、どの筋肉を動かしているかを意識して鍛えると効果が違ってくる。苦しいときほど、自分の能力のどの部分を鍛えているかを意識すれば、それは高効果のトレーニングとなりうる。自分の仕事に責任を持て、責任を持つなら安易に愚痴るなと自分に言い聞かせながら日記を書いている。

>2003.04.11.FRI


×0041 『ビジネス・ウエポン』 >大前研一/小学館/2003.01.22

 本書は、第1章だけを立ち読みしても十分な内容。過去の著書である『サラリーマン・サバイバル』などと内容は重複しているように感じる。ただ、たまにキラリと光る一言を放つ著者なので、題名の良さにも惹かれながらついつい買ってしまった。気に入ったフレーズを幾つかご紹介したい。

  • ビジネスでは「真実」がボスよりも上位概念である。
  • 非常識主義=なぜそうなるのか? おかしいじゃないか? 本当はこうあるべきじゃないか? と常に意識すること。
  • 松下幸之助:質問が上手かった。質問に答えてくれた部下のうち、自分の経営感覚に近い部下に権限を委譲して、その仕事を任せた。人に質問することで答えを求めるのでなく、判断をしていくための材料にする。経営者は最終的な判断が正しければいい。答えは自分より頭のいいヤツが見つければいい。

 他にもいろいろと述べているのだが、どこかで聞いたような話ばかりだった。1,500円出した割には、活字も大きく、内容にも不満であった。せっかくいい発想を持っているのだから、もう少し中味の濃い著書を出して欲しい。

>2003.04.10.THU

苗村屋読書日記 [09]

     



































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